3Dプリンターでものを造形するためには、まず造形物のデータがないと始まりません。では、いったいどんなデータが必要なんでしょうか?
これは、3Dプリンターという名の通り、「三次元形状を表す3Dデータ」が必要になります。じゃあ、「三次元形状を表す3Dデータ」はどうやって作ったらいいんでしょうか?
3Dデータを作るには、今回はそれぞれの詳細は省略しますが、3D-CAD、3D-CG、3Dスキャナ、Webアプリケーションなどを使うことで3Dデータは作ることができます。今度はその完成した3Dデータを、どのように3Dプリンターに伝えればいいんでしょうか?
3Dプリンターに伝えるには、3D-CAD等からSTLファイルでの出力が必要になります。STLファイル?あまり聞き慣れない名称です。いったい何でしょうか?
STLファイルが、3D-CADで一般的に使用されるファイルです
STLファイルとは、3D Systems社のSLA CADというソフト用のファイルフォーマットで、3Dプリンターでの造形用の標準となっています。
多くの3D-CADソフトなどがサポートし、三角形メッシュのソリッドを表現するファイルフォーマットとして広く使用されています。
STLファイルを詳しく書くと、、、
「記録される3Dモデルデータは、三角形の面の法線ベクトルと3つの頂点の座標値になります。
三角形の頂点の順番と面の表裏の関係は、右ねじの規則に従います(三角形の表側は点が反時計回りに回る順番に並びます)。
3つの頂点の座標値から三角形の面の法線ベクトルは求まるはずですが、三角形の面の法線も記録するフォーマットとなっています。」
…ちょっと難しいですね。ただ、STLファイルについてわかっていなくても、3Dプリンターは問題なく使えますので安心して下さい。
それでは最後にもうひと頑張りです。
STLファイルのチェックが必要なことも…
無事にSTLファイルが出力できたら、そのSTLファイルが問題ないかをチェックする必要があります。ここでもし、STLファイルを出力したソフトにすでにチェック機能があり、問題がなかった場合はこのステップは省略して下さい。
STLファイルのチェック、修正には専用のソフトを使用して行うことになります。このチェック、修正のステップをクリアしたら、晴れて3Dプリンターが動き出します。(チェックをせずに3Dプリンターを動かして、問題がでたときにチェックをするという方法でもいいかもしれません。)
ここで、お話しした3Dプリンターでの造形用の標準となっているSTLファイルですが、実は完璧なものではありません。それでは今回はここまでにして、次回はSTLファイルの課題について書いていければと思います。
いかがでしたでしょうか?3Dプリンターについてよくわからないとお思いの方に、少しでもお役に立てたら幸いです。
参考文献
3Dプリンターを中心とした3Dのものづくりの入門としても、わかりやすくてオススメの本です。
トコトンやさしい3Dものづくりの本 (今日からモノ知りシリーズ)
- 作者: 柳生浄勲,結石友宏,河島巌
- 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
- 発売日: 2017/06/17
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る